TP-Link ミニWiFiルーター こんなんでいいの?いや、これがいい(TL-WR902AC)
テック大家さんは、1K賃貸を主に所有する不動産オーナーです。テクノロジー大好きなので、自分の物件で色々とDIYガジェットを試しています。
物件の一つ、16世帯が入居可能なハイドレンジア箱根では1K一室をオーナーが使用して、都心と箱根の二拠点生活を行っています。その部屋で使っているTP-LinkのWiFiルーターが気に入っているので、本日はそのご紹介です。
トラベルルーターという製品:TL-WR902AC
本記事はTL-WR902ACというモデルというWiFiルーターを紹介する記事です。実は、このモデル、公式サイトでは「トラベル ルーター」という名前で掲載されています。
それもそのはず。サイズがとても小さい。どの長さも10cmもないのです。100円玉と比べてみても、この通り。
じゃ、機能も少ないんじゃない?そう言ってしまうのは軽率というものです。後述のように歴としたWiFi機能を持った正真正銘の「WiFiルーター」です。これは驚きです。
ところで、トラベル(旅行)で使うなら、どいう想定なのか、立ち止まって考えてみましょう。
長時間フライトで疲れた身体を、やっと休ませることができる。たどり着いたホテルの一室は、落ち着いたインテリアで少し暗めの間接照明。空港や街の喧騒から離れて一息つけるくつろぎの空間でした。
「ネットで少し世の中の動向でもみてみるか…」
おもむろにスマホのWiFi接続設定に指を伸ばす私。
「あれ?このホテルのWiFiはないの?」
WiFi設定画面には、出てくるべきホテルのWiFiのSSIDが表示されません。ふと部屋の一角のデスクをみると、傍にLAN端子が。そしてデスクの引き出しにはネット接続用のLANケーブルの用意まであります。
「そこまでするなら、WiFi用意しておいてよー」
内心そう思いながらキャリーケースに手を伸ばし、引っ張り出したのはTP-Link TL-WR902AC。
ホテルが用意したLANケーブルをお借りして、この小さなガジェットとデスク脇のLAN端子をつないだら、あら不思議。スマホにはネットから新着情報が続々。そう、自分のガジェットなので、私のスマホはすでにこの小さなTL-WR920ACに対してのWiFi設定は実施済み。だから何もしなくてもつなげばすぐにインターネットの世界。落ち着いた雰囲気のホテルの一室で、のんびりとスマホの小さな画面から世間の騒々しさを眺めるひととき。
と、こんな状況でしょうか。
でも、今どきこんなホテルある?
つまり、ネット接続の提供をしているのであれば、普通WiFiアクセスでしょう?有線ネットワークって1世代前の世界では?そう考えるのは私だけでしょうか。
というわけで、こんな使い方はしないであろうことを想定して、一般家庭(1Kの部屋)でWiFiルーターとして本機を使うことを考えてみましょう。
家庭用WiFiルーターにありがちなアレ、いる?
まずは、一般的な家庭用のWiFiルーターで回線の接続を考えてみます。ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)から提供される何かしらの機器からLANケーブル(CAT5eケーブル)が得られます。それをルーターのWANポート(水色)というところに接続します。下記の写真はTP-Linkの別の製品の背面の写真です。WAN以外にも、LANポートという端子(オレンジ色)端子が4つ付いています。これらは何に使うのでしょう?
そう、これらは有線ネットワーク接続のための端子です。端子はの形状はLANもWANも一緒です。いわゆる「スイッチングHUB」の機能が付いてるわけです。
おわかりですね。あたりまえですね。
…いや、実は、そんなに素直におわかりになられる方ばかりではありません。昨今はスマホもパソコン(ノートパソコン)もWiFiでつなぐのが一般的。そもそもLANケーブルなどというものがあるのを知らない方も多いのではないでしょうか。ネットどっぷりのZ世代の我が娘もその一人。最近ネット関連技術の話していて、彼女がLANケーブルを知らないことに気づき、妙に納得したものです。
なので、LAN端子(スイッチングHUB機能)いる?と思ってしまいました。
そこで、TP-Link TL-WR902ACを家でトラベルではない使い方をする場合に戻ります。
ISPから来た回線は、本機につなぐわけですが、その端子は一つしかありません。そう、家庭内にある有線インターネット接続の機器はつなげられません。
そんなんでいいんでしょうか?
いいんです!
ふつうの家庭に、そんなものありません(断言!笑)。
「ちゃんとしてる」機能に驚く
ところで、TP-Link TL-WR902AC。トラベルルーターと言っていますので、家庭で普通にISPに接続できるものなのでしょうか?
ご心配無用。
以下の写真は本機の側面の写真ですが、一般的なWiFiルーターのように「モード」が選べます。Share ETHが一般的なルータとして使用するモードですね。
かんたん設定ガイド(説明書)にスイッチの説明がありますので転記します(表の順番は少し変えてます)。
スイッチ | 動作モード | 用途 | 使用場所 |
---|---|---|---|
Share ETH | ルーターモード(デフォルト) | ホテル等のLAN端子が1つしかない環境で、複数のデバイスをWi-Fi接続してインターネットを利用したい | 外出先 |
Share Hotspot | ホットスポットモード | フリーWi-Fiをプライベートネットワーク(有線・無線)として使いたい | 外出先 |
AP/Rng Ext/Client | ブリッジモード | 無線機能のないルーターと繋いでWi-Fiを使いたい | ご自宅 |
AP/Rng Ext/Client | 中継機モード | 既存のルーターでWi-Fiが届かない/弱い場所にも信号を届けたい | ご自宅 |
AP/Rng Ext/Client | クライアントモード | 無線機能のないデバイス(テレビ・レコーダー・ゲーム機等)をWi-Fiに接続したい | ご自宅 |
トラベルと言いつつ、これ一台でこんなに色々な使い方ができるのです。たとえば、AP/Rng Ext/Clientのスイッチは、無線機能がない場合にクライアントとして使えるなどは、もはや無敵。本体が小さいからといって中身も小さい(少ない)わけではないのです。
ルーターモードにしておくと、PPPoEによるISPとの接続も対応していますし、IPv6のパススルーにも対応。一般のWiFiルーターと遜色ない機能を搭載しています。
しいていうなれば、最新のWiFi機能の対応がないことでしょう。例えば、2023年現在、市場にはWiFi 6対応(IEEE 802.11ax)を謳った家庭用WiFiルーターが出回っています。しかしTL-WR902ACはWiFi 6には非対応です。WiFi 6はスピードが速いのがウリですが、私としてはWiFi 6 なしでいまのところ間に合ってます。
私は、箱根の自分の物件「ハイドレンジア箱根」の一室をオーナーとして占有しいます。この物件の1Kの部屋にて本機を設置して使用しています。ここでの使い方は、Fire TV Stick、MacBook、スマホの3つの機器を同時にTP-Link TL-WR902ACに接続。YouTubeを3本同時に再生しても途切れることなく使えています。よほど高度な使い方をしなければ、パフォーマスも十分と言えます。
ハイドレンジア箱根のネットワーク構成については、以下の記事に書いていますので、こちらもよろしければご覧ください。
TP-Linkは、WiFiルーターの設定画面のエミュレーターをネットで公開しています。購入前に自分の使いたい機能があるかどうか心配であれば、この画面で確認してみると良いでしょう。
改善すべきネガティブポイントとは?
こんなに素晴らしい製品なのですが、一点どうしても気になる点があります。
それは、壁掛け用の「穴」がないこと。
一般的なWiFiルーターであれば裏に「穴」あいています。なんか、下の図のような形状の穴です。壁にビスでも打っておけば、ルータをそこに引っ掛けて吊り下げておくことができます。
TL-WR902ACはトラベル用だとあって、このような穴が空いていません。裏面の表面はツルっとしていてシンプル。移動用にはよいのですが、家でWiFiルーターとして固定的に壁に設置して使うにはこの穴がないのが意外と不便。
穴をつけるには、その分ちょっと筐体が厚くなるのかもしれません。でも、これがあっても旅行時にに困るとは思えないので、次期モデルでは是非とも用意してほしいです。
高速、ハイパフォーマンスを謳った家庭用WiFiルーターが多い中、トラベルルーターというネーミングを謳うちょっと変わった製品が「TP-Link TL-WR902AC」。ものすごく小さいですが、他のTP-Link製品同様、機能は驚くほどしっかりしています。
WiFiルーターって、こんなんでいいの?と思わされるサイズです。
でも、これがいいんです!
追伸: TP-Linkは3年保証
さて、上の記事を書いた後、使い続けると1年半ほどで故障してしまいました。
でも、TP-Linkの保証は安心の3年間。日本のメーカーなら1年保証が多い中、異例の長さです。交換も手間が殆どかからず、メールのやりとりだけで交換に応じてくれました。
こういうのは安心ですね。ことの経緯を書いた記事をアップしました。こちらも併せてご覧ください↓
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