ルーターのWAN側アドレスの確認方法
ようこそ!テック大家さんへ。筆者、テック大家さんは、自分が所有する賃貸物件でITテクノロジーを駆使したコスト削減をやっています。
先日、ダイナミックDNSという技術について解説をしたのですが、本日はなんと、その際に説明しきれなかったルーターのWAN側アドレスを知る方法。これについて取り上げていきます。
ルーターのWAN側アドレスとは?
以前の記事のおさらいで、ルーターのWAN側アドレスとは何か、今一度みておきましょう。
元々は、筆者テック大家さんの賃貸物件でスマホで使うオートロックシステムがインターネットのサーバーである、という話から始まりました。館内のLAN(ローカルネットワーク)につないだオートロックシステムをインターネットに公開するために、ルーターに動的IPアドレスを割り当ているという内容です。
館内のゲートウェイとしてのルーターは、インターネット内部でアクセス可能なIPアドレスと、建物内部のLANからアクセス可能なIPアドレスの2つのアドレスを持ちます。前者のアドレスこそ、WAN側のIPアドレスと呼ばれるもので、建物外部から館内のオートロックシステム(サーバー)にアクセスするために必要になります。前回のダイナミックDNSの記事ではこのIPアドレスに名前(ドメイン名)をつける仕組みとしてのダイナミックDNSを解説しました。
で、ここでひとつ疑問がわきます。
サーバーにアクセスする際に必要な、このWAN側のIPアドレス。ユーザーはどのように知ることができるのでしょうか。
知る方法は大きく2つ
WAN側アドレスを知る方法は、大きく2つあります。ひとつは、IPアドレスを割り当てられているルーターから知る、という方法です。そして、もう一つは、ローカルネットワークの外側からみて知る、という方法です。
ルーターから知る
ルーターには通常設定画面があります。最近の家庭用ルーターではWebベースの設定画面でブラウザでアクセス可能な画面が用意されているのが一般的です。
テック大家さんが、箱根のハイドレンジア箱根という物件でで運用しているYAMAHAのルーター(RTX830)は、Webベースの他にTELNETによるコマンドラインベースの設定も可能です。
とにかく、どのようなルーターにせよ、ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)が割り当てるグローバルIPアドレスは、ルーターの設定画面から知ることができます。例えば、筆者のお気に入りで以前ブログ記事にもしたTP-Linkの TL-WR902ACというルーターは以下のようなブラウザ画面で、WANアドレスを確認できます。
しかしながら、この方法はルーターの設定を触れる「管理者」しか使えない手です。LAN内に機器を接続している一般ユーザーはルーターの管理画面には通常は入れないようにしているから、当然ですね。
そこで第2の方法が考えられます。
LANの外から知る
もう一つの方法は、LAN(ローカルネットワーク)の外から知る方法です。こちらの方法の方が、ルーターの設定画面を開くためにLAN内のルーターのアドレスを調べたり、管理者のパスワードを思い出すといった手間がかからず、簡単です。
ここで、その仕組みを説明しておきましょう。
この方法では、通信のリクエストを受け取った機器(サーバー)が、リクエストしてきた相手のIPアドレスを知り得る、という仕組みを利用します。
どういうことかというと、WANアドレスを知るには、LAN内部のパソコン、または、スマートフォンから外部のサーバーにアクセスします(下図の❶)。サーバーは、アクセスしてきた機器のIPアドレスを知ることができるのでそのアドレスを呼び出し元に教えてあげよう、という発想です。
以下の図の構成では、LAN内のパソコンのIPアドレスはローカルネットワークのアドレスです。このアドレスはルーターを通る際に、インターネットでアクセス可能なアドレスに変換されます。これはルーターに搭載されているNAT(Network Address Translation)の役割です。そのため、サーバーは、LAN内のパソコンではなく、ルーター(WAN側)からアクセスされたように認識します。
そこで、サーバーでこのアドレスをHTMLに含めてクライアントであるWebブラウザに返せば、LAN内のパソコンでルーターのWAN側アドレスを知ることができる、というトリックが使えるというわけです(下図の❷)。
そのようなトリックでWAN側のアドレスを知ることができるサービスは、例えばCMANのようなサイトがあります。
LAN内のパソコン、または、スマートフォンのWebブラウザで上記のサイトにアクセスすると、以下のようにWAN側アドレスがわかります。(といっても、以下の写真では、肝心なIPアドレス消してしまっているので何の事かよくわからなくなっていますね…)
ちなみに、このようにしてユーザーがWAN側のIPアドレスを知っても、館内に設置したサーバー(筆者の場合は、オートロックシステム)にアクセスするにはもう一手間必要です。それはルーターの設定で、あらかじめポートフォワーディングという、LAN内の機器(オートロックシステム)にアクセス転送する仕組みがルーターに対して必要になります。ポートフォワーディングについては別記事があります。こちらも合わせてご覧ください。
というわけで、今日はここまで。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
WANアドレスをプログラムから知りたいなら
以上は、若干人手に頼るやり方の説明でした。
一方で、プログラム的に、またはコマンドラインで知りたい、というケースもあるのではないでしょうか。
そんなマニア(?!)のために、実際にWAN側IPアドレスを取得するプログラム的なやり方に関する記事も書きました。こちらも合わせてご覧ください。
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