SwitchBotハブは何をするためのモノなのか?種類と機能を解説 名前が悪い!
SwitchBotで究極のスマートホームを目指す賃貸大家「テック大家さん」です。筆者のSwitchBot推し活も当ブログで相当の回を重ねております。
それなのに、書いていない内容があることに気づきました。それは、ズバリ、SwitchBotハブ/ハブ2です。今日は、SwitchBot製品の中でも一際わかりにくいハブという機器が一体全体、何をするモノなのかについて少し語ります。
SwitchBotハブと聞いて何を想像するか
まずは、SwitchBotをご存じない方のために、簡単に補足します。SwitchBotはスマートホームを実現するためのスマホで操作可能な家電製品やIoT機器を扱っているメーカーです。温度計やスイッチ、電球など、どこのご家庭にもある様々な電化製品を、スマホで操作できるようにして商品化しているのがSwitchBotです。
例えば、スマートプラグなら、ご家庭のコンセントとコンセントに刺す電気製品の間に噛ませて使います。するとスマホなどから遠隔で電気製品のスイッチを入れたり切ったりできるのです。他の例としては、シーリングライト。ご家庭の天井についている照明機器ですが、SwitchBotのシーリングライトを買えば、スマホなどから遠隔で点けたり消したりできる。一事が万事、こんな感じで使える製品群がSwitchBotです。
そんな製品群の中に「SwitchBotハブ」というジャンルの製品があります。
この商品名を聞いて、何を想像しますか?
筆者は、はじめ、”クエスチョン?”でした。何をしてくれる機器なのかわかりにくと感じました。
一般に、「ハブ(Hub)」と聞くと、筆者のようなテック系の人間にとってはいくつか思い当たるものがあります。ネットワークの線を物理的に分けてくれる機器を「HUB」と呼んでいますね。パソコンのUSBの端子を増やしてくれる「USBハブ」なんて製品もあります。
また、航空や運輸関係に詳しい方は「ハブ・アンド・スポーク」という用語をご存知でしょう。アメリカなど広大な地域で、どこに行くのも一旦「ハブ」つまり中心となる空港を経由すると輸送効率がよくなる、みたいなコンセプトとして登場する用語です。
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一方、「SwitchBotハブ」ってなんでしょう?
スマートホームにおける「ハブ」(中心点)?
何をする機械なんだろうと思いませんか?
私は、当初不思議に思ってしまいました。
ハブの機能の一つは赤外線送信機
なんでこのネーミングに不思議に思ったのかというと、筆者はこの製品が出たときに、これが「赤外線の送信機」だと知ってたからです。
赤外線リモコンで操作する家電を、SwitchBotハブから赤外線のコマンドを送って直接操作できる。そういう代物なのです。
つまり、以下の図のように、機器に付属されているリモコンの代わりにSwitchBotハブを使えます。これにより機器をスマホなどの別のモノからで操作可能にする、という魔法のようなものなのです。これこそ、まさに「スマート」ではありませんか。
ですが、
「…だったらはじめから『スマート・リモコン』とか呼べばいいんじゃないの?」
と思うわけです。
もしかすると、下図のように、この機器を使うとSwitchBotハブを中心にさまざまな赤外線リモコン機器を操作できる、というスマートホームを形作る「構造」を名前で表現したかったのかも知れません。
SwitchBotハブを「リモコン」と呼べない理由は「クラウド」
実は、SwitchBotハブ/ハブ2には、赤外線リモコンの送信機としての機能以外に重要な役割があります。
それが、インターネットと家庭内の機器をつなぐという役割です。
しかも、この「家庭内の機器」というのは赤外線リモコンを受ける機器だけではないのです。
どういうことでしょう。
SwitchBot製品の多くは、小型化、そして低消費電力化のために、Bluetooth Low Energy( 以下、BLEと略す)で通信します。BLEは近距離通信のためのプロトコルなので、直接インターネットにはつながりません。そのようなSwitchBot製品は、このSwitchBotハブ/ハブ2を通じて、家の外のインターネットと通信することになります。
これは、通信相手が家の中にあっても同様です。
AlexaやGoogle Homeといったスマートスピーカーという商品があります。「アレクサ!今日の天気は?」と声で聞くと音声で応えてくれる、"あの"スピーカーです。スマートスピーカーとBLEしか持たないSwitchBot機器が通信するためには、インターネット、つまり、クラウドと通信できる必要があるのです。
そして、BLE機器とクラウドの仲介するのが、SwitchBotハブ/ハブ2の役割の一つなのです。
なので、AlexaやGoogle Homeなどで声でSwitchBot製品を使おうとすると、SwitchBotハブ/ハブ2が必要になります。
また、私がこのブログでいくつか記事を書いているようなWeb APIを使う場合にも、SwitchBotハブ/ハブ2が必要になってきます。なぜなら、Web APIはその名の通り、インターネット接続必須です。下図のように、BLE機器では誰か(ハブ)にコミュニケーションの仲介をしてもらわないといけないのです。
Web APIについては、以下の記事を併せてお読み下さい。
また、SwitchBotは、BLEのAPIも公開されています。そちらも併せてお読みいただけると幸いです。
”ハブ2”はさらにマルチ・ファンクション
このように、単機能でないがために、何をする機器なのかわかりにくい名前がつけられてしまった「ハブ」ですが、いくつかバリエーションがあります。
一番新しいハブ製品はSwitchBotハブ2と呼ばれています。
悪いことに、SwitchBotハブ2は、ハブ」というネーミングがさらにわかりにくい製品になっています。
理由は、見た目。以下はハブ2の写真ですが、パット見、温度計にしか見えないでしょう。まさか”この顔”にして上述のようなスマートホームの重要機能があるとは夢にも思わないのではないでしょうか。
しかも、さらに悪いことに、温度や湿度が知りたいのであれば、SwitchBot温湿度計といった別商品があります。温度計が欲しいときはどれが自分にあった商品なのか、わかりにくさに拍車をかけているのではなでしょうか。
その上、SwitchBotハブ2にはカスタマイズ可能なボタンが2つついていて、そこを押すとなにかのコマンドを実行できます。そのコマンドはスマホのアプリで設定できます。
ですが、なぜそのような商品が「ハブ」というネーミングなのでしょう。実にわかりにくい。そう思うのは筆者だけでしょうか。
Matter対応でさらに意味不明?!
さらに話をややこしくしているのが「Matter対応」です。
SwitchBotハブ2のウリの一つ(?)です。
先ほど、AlexaやGoogle Homeといったスマートスピーカーに対応するには、SwitchBotハブ/ハブ2が必要だと述べました。これらのスマートスピーカー経由でSwitchBotの機器を操作するのは設定がなかなか大変です。しかも、AmazonやGoogle、Appleのようなメーカー毎にそのやり方が違うのです。
そこで登場したのがMatterという規格。これに対応することで、メーカー問わずおなじような使い勝手でスマート機器を使えるようにしようと、業界で一丸となって作られたものです。
しかし、これに対応しているハブ製品はハブ2と、後に発売された「ハブミニ(Matter対応)」という製品。古い「ハブミニ」はMatter非対応でそのまま併売されている(2024年9月現在)という状況。
「いったい私は何を買えばいいのでしょう?」
そう言いたくなりませんか?
SwitchBotハブの3種の仕様整理
ちょっと整理してみましょう。
機能↓/製品→ | ハブ2 | ハブミニ | ハブミニ(Matte対応) |
---|---|---|---|
リモコン対応 | ◯ | ◯ | ◯ |
ネットワーク中継(Web API含む) | ◯ | ◯ | ◯ |
温湿度計 | ◯ | – | – |
カスタマイズ可能ボタン | ◯ | – | – |
Matter対応 | ◯ | – | ◯ |
なので、例えば、Amazon Alexaを使って、SwitchBotスマートプラグにつながった家電を音声操作しようとすると、
Amazon Alexa + SwitchBotスマートプラグ + ハブ2 or ハブミニ + 操作したい家電
というものが必要になります。
Web APIでプログラミングしたいだけであれば、Matter非対応のハブミニでOKです。
勝手にSwitchBot製品のネーミング提案!?
「SwitchBotハブ」というネーミングが不思議だ、なんとなく気持ち悪い。そう考えた筆者は、ここで突然SwitchBotハブのネーミング提案をします!(じゃじゃーん!)
一つの考え方として、機器に名前をつけるときに、スマートホーム機器を接続する「構造」ではなく、スマートホームで実現する「体験」でネーミングするべきではないでしょうか。
その方が、製品をつかうシチュエーションがわかりやすくなるはずです。
例えば、スマート生活を可能にする機器という意味で、「SwitchBotスマート・イネーブラー」(Enable=可能にする) というのはどうでしょう。
リモコンの機器でも、その他のBluetoothしか使えない機器でもネットにつなげてスマート・ホーム化を有効にしてくれるする機器という意図です。「イネーブラー」という表現は日本人にはあまり一般的ではないかもしれないので、そこが難点です。
もう一つの考え方は、真に「機能」に着目する考え方です。
こちらも、製品が何をするものなのかわかりやすくなるはずです。
例えば、スマート機器の操作対象と操作元を中継するのがこの機器の機能、ということで「SwitchBotリピーター」(中継機という意味)はどうでしょう。同じような意図で「SwitchBotブリッジ」というのもアリかもしれません。ちょっと「赤外線リモコン」という機能が薄れる感じもします。
コマンドを送る機能を中心に考えると「SwitchBotコマンダー」でもいいかもかも知れません。ただ「赤外線リモコン」のコマンド送出の意味は受け取れるのですが、今度はクラウドを使うためのモノ、という感覚が薄れますね。それを補うために「SwitchBotリモート・コマンダー」ってのもいいかな。同じ意図で「SwitchBotスマート・コマンダー」と"スマート"をつけるとネット使う感が出てきていいかも知れません。
とは言え、上の提案はどれも、ハブ2のように温度・湿度が表示された”顔”があると名前とリンクしにくいでしょうね。
いっそのこと、商品として”温度湿度の表示”を取っちゃったほうがわかり易くないでしょうかね。そうすれば、温度によってコマンド投げる機器として「コマンダー」ってのはありな気がします。その場合は、「SwitchBotセンサー・コマンダー」と言っちゃうとかね。
うーん。難しいです…
「ハブ」でいいかな、とりあえず…(笑)
でも、わたくし。そうは言ってもSwitchBotが大好きです!理由は以下の記事にて!↓
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